校長挨拶

 本校は、宝暦8(1758)年に開学した豊前小笠原藩藩校、思永斎(のちに思永館と改称)を源流としています。小倉藩は幕末維新の激動の中で、藩庁を豊津(当時の錦原)に移し、豊津藩と改めました。同様に明治3(1871)年、思永館を改称し、藩校育徳館としての教育がここ錦陵の地で受け継がれることになりました。その後、育徳学校、豊津中学校、豊津高等学校と校名は変遷しましたが、建学の精神は一度も途絶えることなく、政・財・官界、学者・文化人など多くの著名な卒業生を輩出してきました。今年創立266年を迎える全国屈指、福岡県最古の伝統校です。

 平成16年、県下初の県立中高一貫校として中学校を併設するにあたり、育徳館中学校・高等学校と改称し、校訓は「育徳」、「文武両道」「質実剛健」の校風のもと、「徳」「知」「体」のバランスの取れた「次世代のリーダー」育成を目指しています。敷地内には藩校時代の正門である「黒門」や県重要文化財である講堂「思永館」があり、夏目漱石の門下生で小説坊ちゃん)のモデルとされる小宮豊隆氏やNEC創業者岩垂邦彦氏の記念碑なども点在し、重厚な伝統と本校卒業生の偉業を感じながら、県下有数の広大な学び舎で、一心不乱に心身を鍛えます。

 体育大会・文化祭などの学校行事の多くが中学校、高等学校合同で行われ、異年齢との交流を深めながら、心の成長が醸成されます。東京研修では、東京大学や官公庁、一流企業本社を訪ね、進学・進路実現意欲を高めさせます。さらにグローバル人材の育成に向けた、英語教育も充実しており、多くの生徒が高いレベルの資格を取得しています。また平成28年度から、高校2年生では海外修学旅行(令和6、7年度はシンガポール研修)を実施しており、外国企業視察や現地大学生との交流を通して、視野を格段に広げ、心に秘めた志を一層高めさせ、必要な資質を磨く絶好の機会となっています。これからも伝統ある教育理念を継承し、先取遠望の「次世代リーダー」育成に努めます。